← 記事一覧へ
一級建築士構造予想問題壁量計算木質構造直前対策2026年

一級建築士【構造】2026年(令和8年)学科ガチ予想|木造壁量基準の改正/木質構造/液状化・耐震改修を○×で総仕上げ

ガチ予想シリーズ第3弾は構造です(計画環境・設備に続きます)。

構造は力学+文章問題の科目。力学は定番のローテーションなので、予想が効くのは文章問題の新規テーマです。2025年に構造の世界で起きた大きな出来事——木造の壁量基準改正大規模木造の実装——から絞り込みます。

⚠️ 本記事は学習用の予想であり、出題を保証するものではありません。基準・制度は執筆時点の公開情報に基づきます。本試験では問題文の条件を最優先してください。


予想の根拠——構造の「2025年」に起きたこと

出来事試験への意味
2025年4月:木造の必要壁量・柱の小径の基準見直し施行法改正は施行年〜翌年に出る。構造側の大本命
4号特例の縮小(新2号建築物は構造図書の審査対象に)法規とまたいで「木造の構造安全性の確認方法」が問われる
大屋根リング(世界最大の木造・貫接合)計画だけでなく、木質構造の各論(めり込み・接合部)を後押し
令和7年はトラス門形架構の終局・接合部スケッチが初出題で難化力学は「定番+近年のトラス強化」路線が続く
能登半島地震以降の継続テーマ液状化・既存建築物の耐震診断改修は引き続き重点

予想の軸:「木造の重量化と壁量改正」×「木質構造の深掘り」×「地盤・耐震の継続テーマ」


予想テーマ一覧(S/A/Bランク)

ランクテーマ根拠
S木造の壁量基準改正(重量化対応・実況に応じた算定・柱の小径)2025年4月施行。施行翌年=定着確認の出題が定石
S木質構造の深掘り(CLT・集成材・めり込み・貫接合・燃えしろ設計)大規模木造の流れ+大屋根リングの時事
A液状化(生じやすい条件・FL値・対策工法)能登半島地震以降の継続重点テーマ
A既存建築物の耐震診断・改修(Is値・耐震スリット・免震レトロフィット)ストック活用の流れと合流する定番
B免震・制振の対比(周期・風揺れ・ダンパー)数年おきの定番。改修とセットで出しやすい
B力学はトラスの続き+定番ローテ(全塑性・座屈・不静定)R7のトラス初出題の流れ。新規予想より復習で対応

Sランク①:木造の壁量基準改正——「家が重くなったから壁を増やす」

2025年4月施行の改正は、理屈がシンプルです。ZEH化(断熱材の増加)や太陽光パネルの搭載で木造住宅が重くなったのに、従来の必要壁量の表は昔の軽い家を前提にしていた——だから実際の重さに応じて壁量を決める方式に変わりました。

木造の必要壁量基準の見直し(2025年4月) 従来は屋根が軽いか重いかの2区分の表(平屋の例で軽い屋根11、重い屋根15cm/m2)だけで必要壁量を決めていた。改正後は、太陽光パネルや断熱材による重量増を実況で拾い、地震力Q=Ci×Wが増える分、必要壁量と柱の小径を建物の仕様の実況に応じて算定する。許容応力度計算を行えば壁量計算は省略できる。 必要壁量の見直し(2025年4月〜)——重くなった分、壁と柱で支える 従来——屋根の重さ「2区分」だけ 見るのは屋根の重さだけ 必要壁量の表(平屋の例・cm/m²) 軽い屋根(金属板など) 11 重い屋根(瓦など) 15 太陽光や断熱材の重さは反映されない(昔の家が前提) 改正後——建物の重さの「実況」で算定 太陽光パネル 断熱材が厚く(高断熱化) 耐力壁(筋かい)を 実況に応じて増やす ① 太陽光・断熱材の重量Wを実況で拾う ② 地震力は重量に比例 Q = Ci × W → 増える 必要壁量・柱の小径を実況に応じて算定 許容応力度計算を行えば壁量計算は省略可 早見表・表計算ツールも公開(実務は算定を支援) 「重くなった分、壁と柱で支える」——4号特例の縮小(新2号建築物は構造図書が審査対象)とセットで押さえる ※表の数値は建築基準法施行令46条(平屋)の例。2階建てでは階・屋根区分ごとに異なる
押さえるポイント内容
背景省エネ化(高断熱)・太陽光パネル搭載による建物の重量化 → 地震力が増える
改正内容必要壁量・柱の小径を、従来の「軽い屋根/重い屋根」の2区分でなく建物の仕様の実況に応じて算定
合理化許容応力度計算などの構造計算を行えば、壁量計算等は不要にできる
セットの改正4号特例の縮小:木造2階建て等(新2号建築物)は確認申請で構造関係の図書が審査対象

重くなる→地震力が増える→壁量も増える」。地震力が建物重量に比例するという構造の基本原理(荷重・外力)と直結した、実に試験らしい改正です。


Sランク②:木質構造の深掘り——大規模木造時代の各論

計画で予想した大屋根リングの構造側。接合部と材料の性質が問われます。

用語押さえる内容
貫接合柱を貫が貫通し、めり込みで抵抗。剛性は低いが変形能力が大きい(粘り強い)
めり込み木材は繊維直交方向の力に弱い。繊維直交方向の許容応力度は繊維方向より小さい
CLT(直交集成板)ひき板を繊維直交に積層。面材として壁・床に使う
集成材ひき板を繊維ほぼ平行に積層。軸材(柱・梁)に使う——CLTとの対比が急所
燃えしろ設計火災時に炭化する部分(燃えしろ)を除いた断面で許容応力度を検証し、大断面木材を現しで使う

Aランク①:液状化——「緩い砂・高い地下水位」

能登半島地震以降、地盤・基礎の中でも液状化は継続重点テーマです(地盤・基礎の復習とセットで)。

項目内容
生じやすい条件緩く堆積した砂質地盤地下水位が高い細粒分(粘土分)が少ない
判定FL値≦1.0でその深さの液状化の可能性。深さ方向にまとめた指標がPL値
対策締固め(密実にする)・地下水位低下格子状地盤改良・薬液注入など

粘土は液状化しない(砂が危ない)」——細粒分が多いほど液状化しにくい、の向きを間違えないこと。

Aランク②:既存建築物の耐震診断・改修

ストック活用の時代、壊さず強くする技術は計画・法規ともまたぐ頻出領域です。

項目内容
Is値構造耐震指標。第2次診断でIs≧0.6なら倒壊等の危険性が低いと判断
耐震スリット腰壁・垂れ壁と柱を縁切りして短柱のせん断破壊を防ぐ
改修工法耐震壁の増設・鉄骨ブレース・炭素繊維巻付け(靱性向上)・免震レトロフィット(歴史的建築物にも有効)

Bランク:免震・制振の対比

免震・制振の総復習を。急所は3つ——免震は固有周期を長くして応答加速度を減らす免震層は強風時に揺れやすい(風に注意)制振はダンパーでエネルギー吸収し、風揺れ対策にも有効

力学は新規予想より定番ローテの精度トラス全塑性モーメント座屈たわみ)。令和7年にトラス門形架構が出た流れで、トラスの節点法・切断法は今年も温めておきましょう。


予想○×チェック 20問

木造の壁量基準改正(S)

Q1. 2025年4月施行の木造の必要壁量の見直しは、省エネ化や太陽光パネル搭載による建物の重量化に対応するものである。

Q2. 改正後も、必要壁量は従来どおり「軽い屋根・重い屋根」の2区分の表のみで算定する。

Q3. 許容応力度計算などの構造計算を行う場合は、壁量計算等を省略することができる。

Q4. 今回の見直しでは、必要壁量とあわせて柱の小径の基準も見直された。

Q5. 建築物が重くなると、地震層せん断力は小さくなる。

木質構造(S)

Q6. 貫接合は、めり込みにより抵抗する接合で、剛性は高いが変形能力は小さい。

Q7. 木材の繊維直交方向の許容応力度は、繊維方向より小さい。

Q8. CLT(直交集成板)は、ひき板を繊維方向がほぼ平行になるように積層接着したものである。

Q9. 集成材は、ひき板を繊維方向がほぼ平行になるように積層接着したもので、柱・梁などの軸材に用いられる。

Q10. 燃えしろ設計とは、火災時に炭化する部分を除いた断面で構造耐力を検証する設計法である。

液状化(A)

Q11. 液状化は、緩く堆積した砂質地盤で、地下水位が高いほど生じやすい。

Q12. 細粒分(粘土分)の含有率が高い地盤ほど、液状化が生じやすい。

Q13. FL値が1.0以下となる深さでは、液状化の可能性があると判定される。

Q14. 液状化対策として、地盤の締固めや地下水位の低下は有効である。

耐震診断・改修(A)

Q15. 第2次診断において、構造耐震指標Is値が0.6以上であれば、地震に対して倒壊等の危険性が低いと判断される。

Q16. 耐震スリットは、腰壁・垂れ壁と柱を一体化させて剛性を高めるために設ける。

Q17. 免震レトロフィットは、歴史的建築物の外観を保存しながら耐震性能を向上させる手法として有効である。

免震・制振ほか(B)

Q18. 免震構造は、建築物の固有周期を短くすることで応答加速度を低減する。

Q19. 免震建築物は、地震時の揺れは低減できるが、強風時の揺れには注意が必要である。

Q20. 大阪・関西万博の大屋根リングは、伝統的な貫接合を現代の工法と併用した木造建築物である。


解答・解説

解説
Q1高断熱化・太陽光で重量化→地震力増への対応が改正の背景
Q2×2区分の表から建物の仕様の実況に応じた算定へ見直された
Q3構造計算で安全を直接確認すれば壁量計算は省略可(合理化)
Q4柱の小径も建物の重さに応じた算定へ
Q5×地震力は建物重量に比例。重くなれば大きくなる
Q6×貫接合は剛性は低いが変形能力が大きい(粘り強い)。逆にしたひっかけ
Q7繊維直交方向(めり込み方向)は弱い
Q8×CLTは直交積層。「平行」は集成材の説明
Q9集成材=平行積層の軸材。CLT(直交・面材)との対比で覚える
Q10炭化層(燃えしろ)を除いた有効断面で検証し、木材を現しで使う
Q11緩い砂+高い地下水位が液状化の2大条件
Q12×細粒分が多い(粘性土)ほど液状化しにくい。向きに注意
Q13FL≦1.0で液状化の可能性。深さ方向の総合指標がPL値
Q14締固め・地下水位低下・格子状改良などが代表的対策
Q15Is≧0.6が第2次診断の目安
Q16×スリットは柱と壁を縁切りして短柱のせん断破壊を防ぐ。一体化は逆
Q17基礎まわりに免震層を新設し、外観・内装を保存したまま耐震化できる
Q18×免震は固有周期を長くして共振を避け、応答加速度を低減
Q19免震層は水平に柔らかいため強風時の揺れ・変位に注意
Q20世界最大の木造建築物。貫接合+現代工法の併用(計画とまたいで出題可能)

まとめ——構造の直前期は「改正+木+定番」

優先やること
1壁量改正のストーリー(重量化→地震力増→実況に応じた壁量・柱小径/構造計算なら省略可)
2木質構造の対比(CLT=直交・面材 ⇔ 集成材=平行・軸材/貫=粘り/燃えしろ設計)
3液状化の条件とFL値Is≧0.6と耐震スリットの目的
4力学は定番ローテの総点検:トラス全塑性座屈たわみ・仮想仕事
5各構造の総復習は木構造S造RC造構造まとめから

次回は施工のガチ予想。ラストスパート、一緒にいきましょう🐱