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一級建築士構造トラス平行弦トラス断面法節点法ゼロ部材勉強法2026年

一級建築士【構造】トラスの解き方|平行弦トラスを断面法・節点法で図解解説

トラス問題は一級建築士の構造力学で毎年出題される分野です。

試験で出るのはほぼ平行弦トラス。解法は**断面法(リッター法)**が最重要で、節点法と組み合わせると効率的に解けます。

この記事では試験頻出の平行弦トラスを題材に、解法の手順を図解で整理します。


トラスとは

トラスは直線部材をピン(ヒンジ)で結合した構造です。

上弦材(圧縮) 下弦材(引張) 垂直材 斜材

トラスの3つの前提条件

① 部材の両端はピン(ヒンジ)結合
   → モーメントは伝わらない

② 荷重は節点にのみ作用する

③ 各部材には「軸力 N のみ」が生じる
   (Q = 0、M = 0)

この前提があるため、断面全体ではなく軸力だけで計算できます。


静定判別式

【静定判別式】

m + r = 2k

m:部材数
r:反力の数(ピン支点=2、ローラー支点=1)
k:節点数

m + r = 2k  → 静定(解ける)
m + r > 2k  → 不静定(超過拘束)
m + r < 2k  → 不安定(構造不成立)

例題:平行弦トラスを断面法で解く

問題の設定

一級建築士の試験で典型的な4パネル平行弦トラスです。

P RA=P/2 RB=P/2 U0 U1 U2 U3 U4 L0(A) L1 L2 L3 L4(B) スパン L(各パネル d = L/4) h
【例題の条件】

・4パネル平行弦トラス(スパン L、高さ h)
・各パネル幅 d = L/4
・斜材の傾き角 θ(tan θ = h/d)
・上弦中央節点 U2 に集中荷重 P(下向き)
・支点:L0 = ピン、L4 = ローラー

静定判別:
  部材数 m = 17(上弦4、下弦4、垂直材5、斜材4)
  反力  r = 3(ピン2、ローラー1)
  節点数 k = 10
  → m + r = 17 + 3 = 20 = 2k = 2×10 ✓(静定)

ステップ1:反力を求める

【反力の計算】

荷重 P が中央(U2)に作用 → 対称なので:

B点まわりのモーメント:
  ΣMB = 0
  RA × L − P × (L/2) = 0
  RA = P/2

鉛直方向の釣り合い:
  RA + RB = P
  RB = P/2

水平方向の釣り合い:
  ΣH = 0 → RAH = 0(水平荷重なし)

ステップ2:断面法(リッター法)で部材力を求める

断面法のポイント:「求めたい部材を通る面で切り、片側だけで釣り合いを取る」

切断面 α-α RA=P/2 N₁(上弦) N₂(斜材) N₃(下弦) ← この部分で釣り合いを取る
【断面法の計算】

切断面 α-α の左側に注目(RA = P/2 のみ)

─────────────────────────────
■ 下弦材 N₃ を求める(最重要)

  N₁ と N₂ の交点=U1 節点まわりのモーメント
  ΣM(U1)= 0 :
    RA × d − N₃ × h = 0
    (P/2) × d − N₃ × h = 0

  ∴ N₃ = Pd/(2h)  → 引張(正)

─────────────────────────────
■ 上弦材 N₁ を求める

  N₂ と N₃ の交点=L1 節点まわりのモーメント
  ΣM(L1)= 0 :
    RA × d + N₁ × h = 0
    (P/2) × d + N₁ × h = 0

  ∴ N₁ = −Pd/(2h) → 圧縮(負)

─────────────────────────────
■ 斜材 N₂ を求める

  ΣV(鉛直方向の釣り合い)= 0 :
    RA + N₂ × sinθ = 0
    P/2 + N₂ × sinθ = 0

  ∴ N₂ = −P/(2sinθ) → 圧縮(負)
     ※ θ は斜材の傾き角(tan θ = h/d)

断面法のコツ:「消したい力の交点でモーメント」

下弦材 N₃ を求める → 上弦・斜材の交点(U1)まわり でモーメントを取る ΣM(U1) = 0 N₃ = RA × d / h ← N₁・N₂ はU1を通るので消える 上弦材 N₁ を求める → 下弦・斜材の交点(L1)まわり でモーメントを取る ΣM(L1) = 0 N₁ = −RA × d / h ← N₂・N₃ はL1を通るので消える

「求めたい部材以外の2本が交わる節点」でモーメントを取れば、未知数が1つだけ残ります。これが断面法の核心です。


節点法の使い方

断面法では解きにくい支点付近の垂直材・最端部材に節点法を使います。

節点法の手順

【節点法の手順】

STEP 1:静定判別(m + r = 2k を確認)

STEP 2:支点反力を求める(ΣM=0, ΣV=0)

STEP 3:ゼロ部材を先に見つける(後述)

STEP 4:未知数が2つ以下の節点から解く
  → 支点節点(A または B)から始めるのが基本

STEP 5:各節点で ΣX=0, ΣY=0 を立てる
  → 斜め部材は sinθ・cosθ で分解

STEP 6:解いた値を使って次の節点へ

STEP 7:最後の節点で検算

節点Aの例

節点 A (L0) RA = P/2(↑) N_v(垂直材) N_L01(下弦) N_d(斜材) θ 節点A の釣り合い式 ΣV=0:RA + N_v + N_d × sinθ = 0 ΣH=0:N_L01 + N_d × cosθ = 0
【節点A の計算例(垂直材・斜材を求める)】

  ΣV = 0 :
    RA + N_v + N_d × sinθ = 0
    この節点に荷重なし・N_v は上弦端部材

  ΣH = 0 :
    N_L01 + N_d × cosθ = 0

  → 2式、2未知数で解ける

ゼロ部材の見つけ方

計算前にゼロ部材を見つけると大幅に手間が省けます

① T字型節点(荷重なし) N = 0 一直線の2部材 → 直交部材はゼロ ② 2部材節点(荷重なし) N=0 N=0 荷重なし・2部材・非一直線 → 両方ゼロ
【ゼロ部材の2パターン】

パターン①:T字型節点(荷重なし)
  ├─ 2部材が一直線に並ぶ
  └─ 直交する1部材 → N = 0

パターン②:2部材節点(荷重なし)
  ├─ 節点に2本のみ集まる
  ├─ 2本が一直線でない
  └─ 両方とも N = 0

★ 試験では問題図を見てすぐゼロ部材を印をつける

試験頻出パターン

① 平行弦トラスの部材力の傾向

【部材力の傾向(上向き荷重時)】

上弦材 → 圧縮(C)が基本
下弦材 → 引張(T)が基本
垂直材 → 荷重直下は圧縮、その他は条件次第
斜材   → 支点側は圧縮、中央側は引張になる傾向

★ 断面法で N₃(下弦)が正=引張になることを確認

② 断面法を使うべき場面

【断面法が有効なケース】

✅ 特定の1部材だけ求めればよいとき
✅ 節点法では遠くまで順番に解かないと
   たどり着けないとき
✅ 平行弦トラスで上弦・下弦・斜材を
   同時に求めたいとき

→ 断面法 → 節点法の順で解くのが試験最速

③ 斜材の角度と分力

【頻出角度の sin・cos】

45° → sin = cos = 1/√2(≒ 0.707)
       斜材が水平・垂直と等しい傾きのとき

tan θ = h/d(高さ ÷ パネル幅)

→ 45°の場合 h = d(正方形パネル)
   試験では数値が与えられることが多い

解法の選択フロー

【問題を見たときの判断フロー】

まずゼロ部材を探す

反力を求める(ΣM=0, ΣV=0)

求めたい部材は?
  ├─ 特定の1本だけ → 断面法(リッター法)
  │    └─ 切断 → 片側だけ取り出す
  │         └─ 他2本の交点でΣM=0

  └─ 全部材を順番に → 節点法
       └─ 未知数2つ以下の節点から

まとめ

【トラス問題 解法まとめ】

基本事項
  ├─ 静定判別:m + r = 2k
  ├─ 各部材には軸力 N のみ(Q=0, M=0)
  └─ 引張(T)=正(+)、圧縮(C)=負(−)

断面法(リッター法)← 試験の主役
  ├─ 切断面を設けて片側だけ取り出す
  ├─ 求めたい部材以外の2本の交点で ΣM=0
  └─ 斜材は ΣV=0 で求めると速い

節点法
  ├─ 支点節点から ΣX=0, ΣY=0 で解く
  └─ 節点ごとに未知数2つ以下

ゼロ部材(先に見つける)
  ├─ T字型(荷重なし)→ 直交部材=0
  └─ 2部材節点(荷重なし)→ 両方=0

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