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一級建築士施工塗装工事建具ガラス内装断熱2026年

一級建築士【施工】塗装・建具・ガラス・内装・断熱を「理由」で覚える|素地調整・熱割れ・結露を図解

仕上げ工事シリーズの最終回(第3弾)は、塗装・建具・ガラス・内装・断熱です。

(第1弾防水・シーリング、第2弾左官・タイル・石に続きます)

範囲は広いですが、仕上げの「仕舞い」工事に共通するテーマは1つ。

下地・素地を整え、各材料の弱点(錆・熱割れ・結露・はく離)を防ぐ

材料ごとに弱点が違うだけで、考え方は一貫しています。順に見ていきましょう。

⚠️ 内容はJASS 18(塗装)等および公共建築工事標準仕様書に基づく一般的な解説です。実務・最新版では条件により異なる場合があります。


① 塗装工事——「素地調整が塗膜の寿命を決める」

塗装でいちばん大事なのは、きれいに塗ることより**塗る前の下ごしらえ(素地調整)**です。

塗膜の寿命は、素地調整(ケレン)の良し悪しで半分が決まるといわれる。下地に錆・汚れ・水分が残ると、どんな良い塗料でもすぐ剥がれる。

素地調整(ケレン)

鉄部の錆落としなどを「ケレン」と呼び、程度で1〜4種に分かれます。

種別方法使う場面
1種ケレンブラスト(研磨材を吹き付け)錆がひどい・面積が広い
2種ケレン電動工具(ディスクサンダー等)錆が広範囲
3〜4種ケレン手工具(ワイヤーブラシ・サンドペーパー)軽い錆・汚れ落とし

素材別の下ごしらえ

素地ポイント
鉄鋼面錆・黒皮を除去。放置すると塗膜下で錆が進行
亜鉛めっき鋼面そのままだと塗料がのらない→化成処理・エッチングプライマー
コンクリート・モルタル面十分に乾燥させ、アルカリが抜けてから塗る(強アルカリは塗膜を侵す)
木部研磨・節止め(ヤニ止め)

塗装に適さない環境

塗膜不良を防ぐため、次のときは塗装を避けます。

  • 気温5℃以下(乾燥・硬化が進まない)
  • 湿度85%以上・結露(水分で塗膜不良)
  • 強風時(ごみ付着・吹付けの飛散)

「素地と環境を整えてから塗る」——コンクリートや左官の「下地が命」と同じ発想です。


② 建具工事——「異種金属の接触腐食」に注意

建具(サッシ・ドア)は材質ごとに注意点が違います。

アルミ建具——アルカリと異種金属に弱い

アルミは軽くて錆びにくい反面、弱点があります。

アルミはアルカリ(モルタル・コンクリート)に侵される。また**鋼など異種金属と接触すると電食(接触腐食)**を起こす。

  • アルミ建具がモルタルに接する部分は、**絶縁処理(塗装など)**をする
  • 鋼製の取付け金物と接する部分も絶縁する
  • 取付け後、モルタルを充填して固定する場合もアルカリ対策が要る

鋼製建具・木製建具

  • 鋼製建具:溶接で組み立て、くつずりなどは取付け前に裏面に防錆処理
  • 木製建具:含水率に注意(乾燥不足は反り・狂いの原因)

「アルミ=アルカリと異種金属がNG」が最頻出。理由(電食・アルカリ腐食)とセットで覚えます。


③ ガラス工事——「割れ」を防ぐ納まり

ガラスは割れると重大事故。支え方熱割れが出題の柱です。

セッティングブロック——ガラスの自重を支える

板ガラスを下枠にじか置きすると、自重やサッシの動きでガラスの角が欠けます。そこでセッティングブロックでガラス下端を支えます。

セッティングブロックは「端部から1/4」に2か所 幅の1/4 幅の1/4 ガラス
  • セッティングブロックは、ガラス幅の両端から1/4の位置に2か所置く
  • ガラスとサッシの間にはエッジクリアランス(すき間)かかり代を確保する(温度伸縮や変形を逃がす)

熱割れ——「温度差」で割れる

熱割れ=ガラス中央(高温)と周辺(低温)の温度差 日射で高温・膨張 (中央部) 枠に隠れた周辺は低温(縮む) 温度差で 引張→割れる 網入り・厚い・ 濃色で起きやすい

日射でガラス中央部が熱くなって膨張する一方、サッシに隠れた周辺部は低温のまま。この温度差による引張で割れるのが熱割れです。

  • 網入りガラス・厚いガラス・濃色ガラスは熱割れしやすい(熱を持ちやすい・温度差が出やすい)
  • 網入りガラスは、線材が水で錆びてエッジが弱ると割れる(錆割れ)。防ぐため、下枠に径6mm以上の水抜き孔を2か所設けて止水・排水する

「熱割れ=温度差」「網入りは水抜きで錆割れ防止」が頻出ペアです。


④ 内装工事——せっこうボードと床

せっこうボード(ボード張り)

内装下地・仕上げの定番。耐火性・遮音性に優れますが、水に弱い(水まわりは強化タイプ)。

  • ボードは下地にビス・釘・接着で留める
  • 留め付けの間隔(ビスピッチ)は、周辺部で約200mm、中間部で約300mm程度(周辺ほど密に=端は浮きやすい)
  • 継目(ジョイント)は、**継目処理(パテ・テープ)**で平滑にしてから仕上げる

「端部ほど密に留める」のは、型枠の高力ボルトや鉄筋と同じ「弱点(端・隅)を重点的に押さえる」発想です。

床仕上げ

  • ビニル床シート・タイル:下地の乾燥・平滑が前提(湿気が残ると接着不良・ふくれ)
  • フローリング:温度・湿度による伸縮を見込み、**周囲にすき間(エキスパンション)**を設ける

⑤ 断熱工事——「結露」との戦い

断熱の最大の目的は省エネと快適性ですが、施工で問われるのは**結露(特に内部結露)**の防止です。

防湿層は「室内側」に

防湿層は「室内側」に入れて内部結露を防ぐ 室内側 防湿層 断熱材 屋外側 室内の湿気が壁内へ 入るのを防湿層で止める →断熱材内での 内部結露を防ぐ

冬、暖かく湿った室内の空気が壁の中に入り込み、冷たい部分で冷やされると**壁内部で結露(内部結露)**します。これが断熱材を濡らし、断熱性能の低下・腐朽・カビを招きます。

だから**防湿層(防湿フィルム)は、断熱材の「室内側(暖かく湿気の多い側)」**に設けて、湿気が壁内へ侵入するのを防ぐ。

「湿気は暖かい側から入る→入口(室内側)で止める」と理由で覚えれば、防湿層の位置を間違えません。

断熱の工法

工法内容
充填断熱柱・間柱の間にグラスウール等を詰める。すき間なく充填するのが命(すき間は結露・断熱欠損)
外張り断熱構造体の外側を断熱材で覆う。熱橋(ヒートブリッジ)が少ない
吹付け硬質ウレタンフォームを吹き付ける。すき間に追従

繊維系断熱材(グラスウール)は、押し込みすぎ・すき間・防湿層の破れが性能低下の三大原因です。


○×で総チェック

Q1. 塗装では、塗料の品質が良ければ素地調整は簡略化してよい。

×素地調整が塗膜寿命の大半を決める。下地の錆・汚れ・水分は除去必須。

Q2. コンクリート面への塗装は、打設後すぐ、アルカリが強いうちに行うとよい。

×十分乾燥させ、アルカリが抜けてから塗る(強アルカリは塗膜を侵す)。

Q3. アルミ製建具は、モルタルや鋼材と接触してもとくに問題ない。

×。アルカリ腐食・異種金属の電食を起こすので接触部は絶縁する。

Q4. ガラスのセッティングブロックは、ガラス幅の両端から1/4の位置に2か所置く。

。ガラスの自重を支え、角の欠けを防ぐ。

Q5. 熱割れは、ガラス中央部と周辺部の温度差によって生じる。

。網入り・厚い・濃色ガラスで起こりやすい。

Q6. 網入りガラスは、下枠に水抜き孔を設けると錆割れを起こしやすくなる。

×。水抜き孔(径6mm以上・2か所)で止水・排水し、線材の錆(錆割れ)を防ぐ。

Q7. せっこうボードの留め付けは、中間部より周辺部を密にする。

。周辺部約200mm・中間部約300mm程度。端は浮きやすいので密に。

Q8. 充填断熱では、防湿層を断熱材の屋外側に設ける。

×室内側に設ける(暖かく湿気の多い側で湿気の侵入を止め、内部結露を防ぐ)。


まとめ——仕上げの仕舞いも「理由」で導ける

  • 塗装は素地調整が命(塗膜寿命の半分)。コンクリは乾燥・アルカリ抜き、5℃以下・高湿は避ける
  • アルミ建具はアルカリ・異種金属に弱い→接触部を絶縁
  • ガラスはセッティングブロック(端から1/4・2か所)熱割れ=温度差、網入りは水抜き孔で錆割れ防止
  • せっこうボードは周辺ほど密に留める
  • 断熱は防湿層を室内側に(内部結露を防ぐ)、繊維系はすき間なく充填

これで施工シリーズは、躯体(コンクリート・鉄筋・型枠・鉄骨・地業)から仕上げ(防水・左官タイル・塗装内装)まで一通り完結です。施工の数値は「その工事で何が起きているか・どんな弱点があるか」を理解すれば、丸暗記せずに導ける——この視点を、ぜひ本番でも武器にしてください。


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