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一級建築士施工防水工事シーリング2面接着アスファルト防水2026年

一級建築士【施工】防水・シーリング工事を「理由」で覚える|4工法と2面接着を図解

施工シリーズ、ここからは仕上げ工事に入ります。範囲が広いので、

  1. 防水・シーリング(←この記事)
  2. 左官・タイル・石
  3. 塗装・建具・ガラス・内装・断熱

の3回に分けて、それぞれしっかり掘り下げます。第1弾は、建物を雨から守る防水・シーリング工事です。

ここまでのコンクリート地業と同じく、「水をどう止めるか」を理解すれば、工法選びも納まりも理由から導けます

⚠️ 内容はJASS 8(防水工事)等に基づく一般的な解説です。実務・最新版では条件により異なる場合があります。


防水の考え方——「面で止める」と「弱点を処理する」

防水とは、屋根・屋上・地下・水まわりなどで水の侵入を防ぐこと。考え方はシンプルで2つです。

① 防水層という「面」で水を止める ② 面の弱点(継ぎ目・端部・排水口・出入隅)を確実に処理する

防水層そのものより、つなぎ目や立上り、ドレン(排水口)まわりといった「弱点」から漏れるのが現実。だから防水工事は「弱点の納まり」に神経を使います。この視点で全体を見ていきましょう。


① 防水工法の4種類——「何で面をつくるか」で分かれる

防水層を何でつくるかで、工法が分かれます。比較表で性格を掴みましょう。

防水工法=「面のつくり方」で4種類 アスファルト 溶かしたアスファルト +ルーフィングを 3〜4層積層 信頼性◎ 煙・臭気 改質アスファルト シートを炙って 貼る(トーチ工法) 1〜2層 煙少なめ 火気注意 シート ゴム・塩ビの シートを1層貼る 接着/機械的固定 工期短い 継目が弱点 塗膜 液状の材料を塗り 膜にする(ウレタン) 継目なし 複雑形状◎ 厚み管理

アスファルト防水

溶融したアスファルトでアスファルトルーフィング(防水シート)を3〜4層積層する、最も歴史が長く信頼性の高い工法。

  • 層を重ねるので水密性・耐久性が高い
  • 溶融釜で熱するため煙・臭気が出る(都市部・改修で敬遠されることも)
  • 防水層の上を保護コンクリートや押えで保護する(押え工法)か、表面を仕上げた露出工法がある

改質アスファルトシート防水

アスファルトに合成ゴム等を混ぜて性能を高めたシートを使う。トーチ工法(シート裏面をバーナーで炙り、溶けたアスファルトで接着)が代表。

  • 積層が1〜2層で済み、アスファルト防水より省力的
  • 火気を使うので火災・下地損傷に注意。常温粘着工法(炙らない)もある

合成高分子系シート防水

加硫ゴム系・塩化ビニル樹脂系などのシートを1層張る。接着工法と、ビス等で留める機械的固定工法がある。

  • 工期が短く軽量
  • シートのつなぎ目(接合部)が弱点になりやすく、接合の確実さが命

塗膜防水

ウレタンゴム系などの液状材料を塗って、硬化させて膜(防水層)にする

  • 継ぎ目がないので、複雑な形状・狭い場所・改修に強い
  • 塗る厚み(膜厚)の管理が品質を左右する(薄いと水が抜ける)

積層で守る(アスファルト)/シートを貼る(シート)/塗って膜にする(塗膜)」と、面のつくり方で整理すれば工法名が頭に入ります。


② 防水で共通の急所——「弱点」をどう納めるか

どの工法でも、漏水は弱点部から起こります。共通の納まりを押さえましょう。

弱点部処理の理由
下地(勾配)水がたまると劣化・漏水の原因。水勾配をとって排水する
出隅・入隅角は防水層が切れやすい。**面取り・成形(増張り)**で補強する
立上り水が回り込む。十分な高さまで防水層を張り上げる
ドレン(排水口)水が集まる最重要部。専用の改修ドレン等で確実に処理
下地の乾燥下地が湿っていると防水層がふくれる(特にアスファルト・塗膜)

「防水層の出来より、弱点の納まりで決まる」——これが防水工事の本質です。


③ シーリング工事——「目地の動きを吸収する」

外壁の目地やサッシまわりのすき間を、ゴム状の材料(シーリング材)で埋めて水・空気を止めるのがシーリング工事。

ここで最重要なのが、目地が動くかどうかで施工法が変わることです。

ワーキングジョイントは2面接着、ノンワーキングは3面接着

シーリングの2面接着と3面接着 動くワーキングジョイントは底をバックアップ材等で絶縁した2面接着とし、目地が開いてもシーリングが伸縮して追従する。3面接着は底も接着するため、目地が動くと底の隅から切れる(破断する)。 動く目地(ワーキングJ)は「2面接着」で追従させる 2面接着 ○ 目地が開く シーリング バックアップ材 (底は絶縁) 側面の2面だけ接着 伸縮して動きに追従 ○ 3面接着 × 目地が開く 底面も含め3面接着 底の隅から切れる ×
目地の種類動き施工法理由
ワーキングジョイント大きく動く(サッシまわり・各種目地)2面接着底面を絶縁し、シーリングが自由に伸縮して動きに追従できるようにする
ノンワーキングジョイントほぼ動かない(打継ぎ等)3面接着動かないので底面も接着してよい

ワーキングジョイントで底まで接着(3面接着)すると、目地が動いたときに底の角を起点にシーリングが切れてしまう。だから底面を縁切り(絶縁)して2面接着にし、ゴムのように自由に伸び縮みさせるのです。

底面を絶縁する材料

  • バックアップ材:目地が深いときに、底に詰めて深さを調整しつつ絶縁する
  • ボンドブレーカー:目地が浅くバックアップ材が入らないとき、底にテープを貼って絶縁する

どちらもシーリング材と接着しないのがポイント。「2面接着のために底を切る道具」と覚えます。

シーリングの施工手順と材料

施工は 目地清掃 → マスキングテープ → プライマー塗布 → 充填 → へら押さえ → マスキング除去 の順。

  • プライマー:下地とシーリングの接着を高める下塗り
  • マスキングテープは、シーリングが硬化する前にはがす(硬化後だと縁がガタつく)

シーリング材の種類も使い分けが問われます。

種類特徴・用途
シリコーン系耐候性・耐熱性に優れるが、周囲を汚染し塗装できない → ガラスまわり向き
変成シリコーン系上から塗装できる → 外壁の目地に広く使う
ポリウレタン系接着性良好。紫外線にやや弱い

「シリコーンは塗装不可(ガラス用)/変成シリコーンは塗装可(外壁用)」の対比が頻出です。


○×で総チェック

Q1. アスファルト防水は、ルーフィングを複数層積層するため水密性・信頼性が高い。

。3〜4層積層。煙・臭気が出る点に注意。

Q2. 塗膜防水は継ぎ目ができるため、複雑な形状には向かない。

×。液状を塗って膜にするので継ぎ目がなく、複雑な形状に強い

Q3. 防水の漏水は、防水層そのものより継ぎ目・立上り・ドレンなどの弱点から起こりやすい。

。だから弱点の納まりが最重要。

Q4. よく動くワーキングジョイントには、3面接着とする。

×2面接着。底を絶縁して動きに追従させる。3面接着は動かない目地。

Q5. バックアップ材・ボンドブレーカーは、シーリング材としっかり接着させる。

×接着させない(底面を絶縁し2面接着にするため)。

Q6. シーリングのマスキングテープは、シーリング材が完全に硬化してから除去する。

×硬化する前に除去する。

Q7. シリコーン系シーリング材は、その上から塗装するのに適している。

×。シリコーン系は塗装できない(汚染も)。塗装するなら変成シリコーン系。


まとめ——防水・シーリングも「理由」で導ける

  • 防水は①面で止める ②弱点(継ぎ目・立上り・ドレン)を納める
  • 工法は面のつくり方で4種:アスファルト(積層)/改質アスファルト(炙る)/シート(貼る)/塗膜(塗る)
  • 共通の急所は水勾配・出入隅・立上り・ドレン・下地の乾燥
  • シーリングは動く目地=2面接着(底を絶縁)/動かない目地=3面接着
  • 底の絶縁はバックアップ材(深い)・ボンドブレーカー(浅い)
  • シーリング材はシリコーン=塗装不可(ガラス)/変成シリコーン=塗装可(外壁)

防水・シーリングは「水の通り道(弱点)を、いかに塞ぎ、いかに動きに追従させるか」。この視点を持てば、工法も納まりも理由から思い出せます。

次回②は左官・タイル・石工事を取り上げます。


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