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一級建築士構造木構造木造筋かい文章題2026年

一級建築士【構造】木構造の知識まとめ|柱の小径・筋かい・継手仕口のポイント

構造文章題シリーズ第5弾は木構造です。

木造は施行令第3章第3節(令第40条〜49条)の数値規定と、木材という材料そのものの性質の両面から出題されます。住宅実務にも直結する分野です。


木材の性質——「方向」と「水分」がすべて

繊維方向で強度がまったく違う(異方性)

木材は繊維(年輪方向)をもつため、力の向きによって強度が大きく異なります。

強度の大小:繊維方向 >> 繊維に直角方向

繊維方向どうしで比べた基準強度の大小関係も頻出です。

曲げ > 圧縮 > 引張 > せん断

せん断が最も弱い、というのは意外に感じるかもしれませんが、繊維どうりに裂ける(せん断)のは簡単——薪割りをイメージすると腑に落ちます。

木材は異方性——力の向きで強さが激変 繊維方向(強い) 繊維に沿う力に強い 繊維直角(弱い=めり込み) 直角の圧縮はめり込む 強度:曲げ>圧縮>引張>せん断/繊維方向≫繊維直角

めり込み——繊維直角方向の弱点

土台に柱が乗る部分のように、繊維と直角方向に圧縮力を受けると、木材はめり込みます。繊維直角方向の圧縮(めり込み)強度は繊維方向よりずっと小さく、接合部設計の急所になります。

含水率——乾くほど強くなる

  • 木材の強度は、含水率が小さい(乾燥している)ほど大きい(繊維飽和点以下の範囲)
  • 乾燥収縮の大きさは「接線方向(年輪の円周方向)>半径方向>繊維方向
  • 構造材には十分に乾燥した木材を使う(乾燥不足は割れ・狂い・接合部の緩みの原因)

木質材料——欠点を「貼り合わせ」で克服する

無垢の製材は、節・割れ・含水のばらつきで強度が不安定。そこで小さな板や単板を接着した木質材料が使われます。違いが頻出です。

材料つくり方特徴
集成材ひき板(ラミナ)を繊維方向をそろえて積層接着品質が安定し、大断面・湾曲材がつくれる。体育館の梁など
LVL(単板積層材)単板を繊維方向をそろえて積層強度のばらつきが小さい
合板単板を繊維方向を直交させて積層面内のどの方向にも強い。耐力壁・床下地
CLT(直交集成板)ひき板を直交に積層接着した厚い板壁・床にできる。中大規模木造に活用

「集成材・LVLはそろえる、合板・CLTは直交させる」が区別の軸。直交させると方向による強度差(異方性)が緩和されます。


柱の規定(令第43条)

項目規定
柱の小径横架材間の垂直距離に対する割合で規定(建物の種類・部位により1/20〜1/33
3階建ての1階の柱小径13.5cm以上(一定の構造計算等による場合を除く)
すみ柱通し柱とする(接合部を補強した場合は管柱でも可)
階数2以上の建物の隅柱同上
有効細長比150以下

「すみ柱は必ず通し柱でなければならない」→×(補強すれば管柱可)という形で出ます。


筋かい(令第45条)——寸法を数字で覚える

筋かいの種類規定
引張を負担する筋かい厚さ1.5cm以上×幅9cm以上の木材、または径9mm以上の鉄筋
圧縮を負担する筋かい厚さ3cm以上×幅9cm以上の木材
  • 端部は、柱と横架材の仕口に近づけて、ボルト・かすがい・くぎ等で緊結する
  • 筋かいに欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためやむを得ない場合は、必要な補強を行えば可

圧縮筋かいの方が厚い理由——細いと座屈してしまうからです。引張専用なら座屈の心配がないので、鉄筋(9mm)でも使えます。


壁量とバランス(令第46条)

木造の耐震性は耐力壁の量と配置で確保します。

  • 各階の張り間方向・けた行方向それぞれに、床面積と見付面積に応じた必要壁量以上の軸組を設ける
  • 壁は量だけでなく釣り合いよく配置する(平面的に偏ると、地震時にねじれて偏心の大きい側から壊れる)
  • 構造計算(許容応力度計算等)で安全を確かめた場合は、壁量規定の適用を除外できる

壁量計算の係数や4分割法の詳細まで踏み込む出題もありますが、まず「量+バランス」の2本柱を押さえることが先決です。

耐力壁と水平構面——「壁」と「床」はセット

耐力壁だけ強くても、地震力を各壁に分配する**床・屋根(水平構面)**が弱いと、力がうまく伝わらず建物がゆがみます。

  • 床・屋根の**水平構面(剛性)**を確保する(構造用合板を張る・火打ちを入れる等)
  • 水平構面が弱いと、耐力壁が効く前に床が変形してしまう
  • 「強い壁+硬い床」が両輪。壁だけ・床だけでは成立しない

「耐力壁は柱、水平構面は梁を渡す床」——両方そろって地震に抵抗します。


木造の構造形式——在来軸組・枠組壁・CLT

形式抵抗のしかた
在来軸組工法柱・梁の軸組+筋かい・面材耐力壁で抵抗。日本の伝統的な木造
枠組壁工法(2×4)規格材の枠に構造用合板を張った**壁・床の「面」**で抵抗(モノコック的)
CLT工法厚い直交集成板の壁・床で抵抗。中大規模木造に活用

在来軸組は「線(柱梁)+筋かい」、2×4・CLTは「面(壁)」で支える、という違いを押さえます。


継手・仕口(令第47条)と接合金物

  • 継手・仕口は、存在応力を伝えるように緊結する
  • ボルト締めには座金を使い、木材のめり込みに配慮する
  • 地震時に柱が土台や梁から引き抜かれるのを防ぐため、接合部に応じた金物(ホールダウン金物など)を用いる

知識として問われるポイント

  • 接合金物が必要になるのは、耐力壁の両端の柱に引抜き力が生じるから。壁倍率が大きい耐力壁ほど、端部柱の引抜き力は大きくなる
  • 「土台を基礎に緊結するアンカーボルト」も引抜き・ずれ防止の要

防腐・防蟻と耐久性(令第49条ほか)

  • 構造耐力上主要な部分である柱・筋かい・土台のうち、地面から1m以内の部分には、有効な防腐措置を講じ、必要に応じてしろあり対策を行う
  • 外壁内部の通気、床下換気など「木を濡らさない・乾かせる」工夫が耐久性の基本

○×で総チェック

Q1. 木材の繊維方向の基準強度は、曲げ>圧縮>引張>せん断の順である。

。せん断が最も小さい。

Q2. 木材の強度は、含水率が大きいほど大きい。

×。繊維飽和点以下では、含水率が小さい(乾燥している)ほど強度は大きい

Q3. 引張力を負担する筋かいには、径9mm以上の鉄筋を使用できる。

。引張専用なら座屈しないため鉄筋でよい。圧縮筋かいは厚さ3cm以上の木材。

Q4. 筋かいをたすき掛けにする場合であっても、筋かいに欠込みをしてはならない。

×。原則禁止だが、たすき掛けでやむを得ない場合は必要な補強をすれば可

Q5. 階数2以上の建築物のすみ柱は、必ず通し柱としなければならない。

×接合部を補強すれば管柱でも可

Q6. 木造3階建ての1階の柱の小径は、原則として13.5cm以上とする。

Q7. 耐力壁は、必要壁量を満たしていれば、平面上の配置は問わない。

×。配置が偏ると地震時にねじれが生じる。釣り合いよく配置する必要がある。

Q8. 壁倍率の大きい耐力壁ほど、その両端の柱に生じる引抜き力は小さくなる。

×。強い壁ほど大きな力を負担するため、端部柱の引抜き力は大きくなる。

Q9. 集成材は、ひき板の繊維方向を互いに直交させて積層接着したものである。

×。集成材は繊維方向をそろえて積層。直交させるのは合板・CLT

Q10. 耐力壁が十分にあれば、床・屋根の水平構面の剛性は考慮しなくてよい。

×。水平構面が弱いと力が壁に伝わらない。壁と床はセット

Q11. 枠組壁工法(2×4)は、柱・梁の軸組と筋かいで地震力に抵抗する。

×。2×4は**壁・床の「面」**で抵抗する。軸組+筋かいは在来軸組工法。


まとめ

  • 木材は異方性:繊維方向が強く、強度は「曲げ>圧縮>引張>せん断
  • 乾燥するほど強い。収縮は接線方向が最大
  • 柱:3階建て1階は13.5cm、細長比150以下、すみ柱は通し柱(補強で代替可)
  • 筋かい:引張1.5cm×9cm or 鉄筋9mm/圧縮3cm×9cm欠込み原則禁止
  • 耐力壁は量+バランス、強い壁ほど端部柱の引抜き対策が必要
  • 地面から1m以内は防腐・防蟻

木造の規定はすべて「木という材料の弱点(めり込み・座屈・腐朽・引抜き)をどう補うか」に対応しています。弱点とセットで覚えるのが近道です。


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