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一級建築士法規避難規定直通階段排煙設備2026年

一級建築士【法規】避難規定を攻略|歩行距離・二以上の直通階段・避難階段・排煙・廊下幅

法規・集団規定+単体規定シリーズ、今回は避難規定でシリーズを締めます。

避難規定は「逃げ道をどう確保するか」を定めた数字の宝庫。歩行距離・階段の数・廊下の幅・排煙・非常用照明など、似た数字が並ぶので混同しがち。**「どこに・いくつ・どれだけの幅で・煙と灯りをどうするか」**という流れで整理します。

⚠️ 内容は建築基準法・施行令等に基づく一般的な解説です。条文番号・数値は学習用の代表値で、適用条件(用途・規模)には細かい例外があります。受験・実務では最新の法令集で確認してください。


0. 大前提——「避難階」と「直通階段」

まず用語を2つ。

用語意味
避難階直接地上へ出られる階(通常は1階。傾斜地では複数のことも)
直通階段避難階または地上まで、途中で別の階に紛れず直通でつながる階段

避難の基本は「居室 → 廊下 → 直通階段 → 避難階 → 屋外 → 敷地内通路 → 道路等」という一本の流れ。これを止めないのが避難規定です。


1. 歩行距離——直通階段までの距離(令120条)

居室の最も遠い地点から直通階段の入口までの歩行距離には上限があります。構造で数字が変わるのがポイント。

歩行距離=居室の最遠点から直通階段の入口まで 居室 最遠点 廊下(実際に歩く経路で測る) 直通階段

歩行距離は直線距離ではなく、実際に歩く経路で測る。

居室の種類主要構造部が準耐火構造・不燃材料その他(木造等)
一般の居室50m30m
百貨店・ホテル・病院等の主用途居室、無窓居室30m30m

「一般居室なら、燃えにくい構造(準耐火等)で50mまで延ばせる」「木造や、避難上きびしい用途・無窓は30m」。準耐火等=50m / その他=30mが基本の対比です(15階以上の階ではさらに10m短縮)。


2. 二以上の直通階段と重複距離(令121条)

一定の用途・規模では、直通階段を2つ以上設けなければなりません(一方が火災でふさがってももう一方で逃げる=二方向避難)。

主に対象となるのは——

  • 劇場・映画館・集会場等の客席がある階
  • 物品販売店舗(床面積1500m²超
  • 6階以上の階で居室があるもの(原則)
  • 病院・ホテル・共同住宅等で、避難階以外の階に一定面積以上の居室があるもの

⚠️ 重複距離は「歩行距離の1/2以下」

二以上の直通階段が必要な場合、2つの階段への経路が重なる区間(重複距離)は、歩行距離限度の1/2以下にしなければなりません。

重複距離は歩行距離限度の1/2以下に 居室 重複距離(1/2以下) 階段A 階段B 重複が長いと、その区間がふさがった時に両方使えなくなる

重複が長いと、そこが火災でふさがったときに両方の階段が同時に使えなくなる——だから重複を短く制限する、という理屈です。歩行距離50mの居室なら重複は25m以下。


3. 避難階段・特別避難階段(令122・123条)

階段そのものにも、高さ(階)によって耐火・防煙性能が求められます。

区分必要になる階
避難階段 または 特別避難階段5階以上または地下2階以下に通じる直通階段
特別避難階段(より厳格)15階以上または地下3階以下に通じる階段

特別避難階段は、階段室に入る前に附室(バルコニーや排煙付きの前室)を設け、煙が階段室に入らないようにしたもの。高い建物・深い地下ほど、煙対策を強化する、という段階構造です。物品販売店舗(1500m²超)で5階以上の売場に通じる階段は特別避難階段が必要、といった上乗せもあります。


4. 廊下の幅(令119条)

避難経路となる廊下にも最低幅があります。両側に居室があるほうが広いのがポイント。

廊下の種類両側に居室片側に居室
小学校・中学校等の児童・生徒用2.3m1.8m
病院の患者用、共同住宅(住戸面積合計100m²超の階)、居室床面積200m²超の階等1.6m1.2m

両側に居室があると人が両側から出てくるので、広く(1.6m / 学校2.3m)。片側だけなら少し狭く(1.2m / 学校1.8m)。

「学校が一番広い(2.3/1.8)」「一般は1.6/1.2」。両側のほうが広い、という大小関係を理由で押さえます。


5. 排煙設備(令126条の2)——煙を出す

火災で最初に人を襲うのは炎より。これを排出するのが排煙設備です。

主に、延べ面積500m²超の特殊建築物階数3以上で延べ500m²超の建築物、排煙上の無窓居室延べ1000m²超の建築物で床面積200m²超の居室などに必要。

  • 防煙区画:煙の広がりを抑えるため、500m²以内ごとに防煙壁(防煙垂れ壁等)で区画する
  • 一定の窓(排煙に有効な開口)がある等の場合は免除される

「500m²」が設置の基準にも防煙区画にも出てくるので、文脈を取り違えないこと。環境・設備の排煙の記事とあわせて理解すると定着します。


6. 非常用照明・進入口・敷地内通路

避難規定の仕上げに、灯り・進入・屋外の通路。

設備内容
非常用照明(令126条の4)特殊建築物の居室、階数3以上で延べ500m²超の建築物等に設置。停電時に床面で1ルクス以上(白熱灯)を確保。学校・一戸建て住宅・共同住宅の住戸等は除外
非常用進入口(令126条の6)高さ31m以下の部分の3階以上の階に設置。道路等に面する外壁面に40m以内ごと。一定の窓(代替進入口)があれば免除
敷地内通路(令128条)屋外避難階段や屋外への出口から道路まで、幅1.5m以上(小規模建築物は90cm以上)の通路を確保

非常用進入口は消防隊が外から入るための開口で、ハシゴ車が届く31m以下が対象(31m超は別途、非常用エレベーターで対応)。「非常用照明=逃げる人の灯り、非常用進入口=入る消防隊の口」と役割を分けて覚えます。


○×で総チェック

Q1. 歩行距離は、居室の最も遠い部分から直通階段までの直線距離で測る。

×実際に歩く経路で測る(壁に沿った距離)。

Q2. 主要構造部が準耐火構造である一般の居室では、直通階段までの歩行距離の限度は50mである。

。一般居室は準耐火等で50m、その他(木造等)は30m。無窓・特殊用途は30m。

Q3. 二以上の直通階段が必要な場合、2つの階段への経路の重複距離は、歩行距離限度の1/2以下とする。

。重複が長いと両方ふさがる恐れがあるため。

Q4. 15階以上の階に通じる直通階段は、避難階段とすればよい。

×。15階以上(または地下3階以下)は、より厳格な特別避難階段が必要。

Q5. 廊下の幅は、片側にのみ居室がある場合のほうが、両側に居室がある場合より広く必要である。

×両側に居室があるほうが広い(一般で1.6m、片側1.2m)。

Q6. 排煙設備の防煙区画は、面積1000m²以内ごとに区画する。

×。防煙区画は500m²以内ごと。

Q7. 非常用進入口は、高さ31mを超える階に設けなければならない。

×。非常用進入口は高さ31m以下の3階以上の階。31m超は非常用エレベーター等で対応。


まとめ——避難は「経路の流れ」で数字を結ぶ

  • 歩行距離:一般居室は準耐火等50m・木造30m、無窓・特殊用途は30m
  • 二以上の直通階段:劇場・物販1500m²超・6階以上等。重複距離は限度の1/2以下
  • 避難階段/特別避難階段5階以上・地下2階以下で避難階段、15階以上・地下3階以下で特別避難階段
  • 廊下幅:学校2.3/1.8m、一般1.6/1.2m(両側が広い)
  • 排煙:延べ500m²超の特殊建築物等、防煙区画500m²以内
  • 非常用照明:1lx以上(住戸・学校等は除外)/非常用進入口31m以下の3階以上に40m以内ごと/敷地内通路1.5m

避難規定は単独の数字を丸暗記するより、「居室→廊下→階段→避難階→屋外→道路」という避難の一本道に数字を並べると、混同せず思い出せます。

これで法規シリーズ(道路・確認申請・用途地域・建蔽率・容積率・高さ斜線・日影・防火・避難)が一通りそろいました。構造・施工・環境設備とあわせて、一級建築士の学科を着実に攻略していきましょう。


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