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宅建民法意思表示通謀虚偽表示虚偽表示権利関係2026年

宅建【民法】通謀虚偽表示とは?無効の効力・第三者の範囲を図解でわかりやすく解説

意思表示シリーズの2回目は「通謀虚偽表示」です。

前回の心裡留保は「一人で嘘をついた」ケースでしたが、通謀虚偽表示は**「相手方と示し合わせて行う嘘」**です。

差し押さえから財産を逃がすために形だけ売買したふりをする——というのが典型例です。


通謀虚偽表示とは

通謀虚偽表示とは、表意者が相手方と通じて(グルになって)行う、真意と異なる意思表示のことです(民法94条)。

用語意味
通謀相手方と示し合わせること(グルになること)
虚偽表示本心と異なる(虚偽の)意思表示
仮装行為実態のない見せかけだけの取引
【典型的な場面】

A に多額の借金があり、債権者から差し押さえを受けそうになった



A と B が「形だけ不動産を売ったことにしよう」
と示し合わせる



実際には A は売るつもりがなく、B も買うつもりがない
(お金のやり取りも実際にはしていない)

当事者間の効力:常に無効

通謀虚偽表示による意思表示は、当事者 A・B 間では常に無効です。

心裡留保と異なり、「相手方が善意かどうか」に関係ありません。そもそも両者がグルで嘘をついているので、お互い「本当は無効だ」とわかっています。

A(売主) 本心:売るつもりなし 差し押さえから逃がしたい 示し合わせ(通謀) 「仮装売買」 B(買主) 本心:買うつもりなし A の頼みを聞いた A-B 間の売買契約 → 常に無効(条件なし)
【当事者間のルール】

A-B 間:無効

★ 心裡留保との違い
  心裡留保 → 相手方が善意なら有効(条件あり)
  虚偽表示 → 常に無効(条件なし)

理由:両者ともグルなので「信じた相手方を保護する」
   という理屈が通らない

第三者が登場するパターン

問題は、仮装売買の後で第三者 C が登場したときです。

【場面の設定】

A と B が仮装売買(グル)
 ↓
B が C に「この不動産を買いませんか?」と売却
 ↓
C は A-B 間が仮装売買だとは知らずに買った(善意)

このとき C の取引は有効か?
A(売主) グル・仮装売買 (悪意) 仮装 B(買主) グル・仮装売買 (悪意) 転売 C(第三者) 善意で購入 (事情を知らない) A が「契約は無効だ」と C に主張 C が善意 → A は「無効」を C に主張できない C の取引は有効として守られる(C は保護される)
【第三者への効力まとめ】

C が善意(仮装売買だと知らない)
 → A は「無効」を C に対抗できない
  C の取引は有効

C が悪意(仮装売買だと知っていた)
 → A は「無効」を C に対抗できる
  C の取引は無効

★ 心裡留保と同じく、第三者に必要なのは「善意」のみ
 (善意無過失は不要。善意であれば保護される)

第三者の「範囲」が試験で問われる

通謀虚偽表示で特に注意が必要なのが、**「誰が第三者に当たるか」**という問題です。

第三者に当たる人

【第三者に「当たる」例】

① 仮装売買された不動産の転得者
   (A→B の仮装売買後に B→C に転売された C)

② 仮装した債権を差し押さえた差押債権者
   (B の債権者が B の財産として差し押さえた場合)

③ 仮装した債権を譲り受けた者

第三者に当たらない人

【第三者に「当たらない」例】

① A や B の相続人
   → 相続人は被相続人(A や B)の地位をそのまま引き継ぐ
     だけなので「新たに利害関係を持った第三者」ではない

② 仮装売買に関与した者(グルの当事者)
第三者に「当たる」→ 保護される可能性あり ✅ 不動産の転得者(B から買った C) ✅ 仮装債権の差押債権者 ✅ 仮装債権の譲受人 → 善意であれば保護される  (悪意なら保護されない) 第三者に「当たらない」→ 保護されない ❌ A や B の相続人 ❌ 仮装行為の当事者自身 → 相続人は被相続人の地位を  引き継ぐだけで「新たな  第三者」ではない

転得者が登場する応用問題

B がさらに C に、C がさらに D に転売したケースです。

A (仮装・グル) B (仮装・グル) 転売 C (悪意) 仮装と知ってた 転売 D (善意) 事情を知らない 各自について独立して善意・悪意を判断する C は悪意 → C は保護されない(A は C に無効を主張できる) D は善意 → D は保護される(A は D に無効を主張できない)
【転得者のポイント】

各転得者(C, D, E…)はそれぞれ独立して
善意・悪意を判断する

C が悪意でも D が善意なら → D は保護される
C が善意でも D が悪意なら → D は保護されない

★ 「前の人が悪意だから次の人も守られない」
 という連鎖にはならない
 (それぞれ個別に判断する)

心裡留保との比較

心裡留保通謀虚偽表示
嘘をついた主体表意者一人表意者と相手方がグル
当事者間の効力相手方が善意なら有効常に無効(条件なし)
第三者保護の条件善意(無過失不要)善意(無過失不要)

条文の確認(民法94条)

【民法94条】

第1項:
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

第2項:
前項の規定による意思表示の無効は、
善意の第三者に対抗することができない。

シンプルですが、**「第三者の範囲が誰か」**という解釈が試験で問われます。


試験問題パターン

Q1. A と B が仮装売買を行った後、事情を知らない
    C が B からこの不動産を購入した。
    A は C に「売買は無効だ」と主張できるか?

A1. 主張できない
    → C は善意の第三者として保護される

Q2. 上記で C が悪意だった場合は?

A2. 主張できる
    → 悪意の第三者は保護されない

Q3. A の相続人 X は「第三者」として保護されるか?

A3. 保護されない
    → 相続人は第三者に当たらない(被相続人の地位を引き継ぐだけ)

Q4. C(悪意)がさらに善意の D に転売した場合、
    D は保護されるか?

A4. D は保護される
    → D は独立して善意・悪意を判断する
      D は善意なので保護対象

まとめ

通謀虚偽表示まとめ 当事者(A-B)間 常に無効(条件なし) 第三者 C が善意 無効を対抗できない(C を保護) 第三者 C が悪意 無効を対抗できる(C は保護なし) 🔑 試験ポイント:相続人は「第三者」に当たらない 転得者は各自独立して善意・悪意を判断する

宅建【民法】意思表示シリーズ:

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