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一級建築士法規集団規定用途地域用途制限2026年

一級建築士【法規】用途地域・用途制限を攻略|13地域・過半ルール・48条許可・51条

法規の集団規定シリーズ、今回は用途地域・用途制限です。

13の用途地域と、地域ごとに「建てられる/建てられない」を定めた用途制限(別表第2)。一覧表をまる暗記しようとすると挫折します。ですが、**「住環境を守る強さの順」**という1本の軸を持てば、かなり整理できます。

さらに本試験は、敷地が2つの地域にまたがるときの処理や、48条ただし書きの許可といった例外を突いてきます。今回も「原則 → 例外 → 例外の例外」で、つまずきポイントを潰します。

⚠️ 内容は建築基準法等に基づく一般的な解説です。用途制限は規模・条件で細かく分かれます。条文番号・数値は学習用の代表値で、受験・実務では必ず最新の法令集(別表第2)で確認してください。


1. 用途地域は13種類——「住居系→商業系→工業系」

用途地域は、都市計画で定める13種類。大きく住居系8・商業系2・工業系3に分かれます。

13の用途地域(住環境を守る強さの順) 住居系(8) 住環境を守る=用途制限がきびしい ① 第一種低層住居専用地域 ② 第二種低層住居専用地域 ③ 田園住居地域 ④ 第一種中高層住居専用地域 ⑤ 第二種中高層住居専用地域 ⑥ 第一種住居地域 ⑦ 第二種住居地域 ⑧ 準住居地域 ↑ 低層住専がいちばん厳しい → 下にいくほど店舗等が建てやすくなる 商業系(2) ⑨ 近隣商業地域 ⑩ 商業地域 ほぼ何でも建つ(住宅もOK) 工業系(3) ⑪ 準工業 ⑫ 工業地域 ⑬ 工業専用地域 工専は逆に「住宅が建てられない」 両端が極端:低層住専=住宅最優先で店舗工場×/工業専用=工場優先で住宅× 真ん中の商業系がいちばん自由度が高い

ポイントは両端が極端だということ。

  • 第一種低層住居専用地域:住宅を最優先。店舗・事務所・工場はほぼ建てられない
  • 工業専用地域:工場を最優先。逆に住宅が建てられない唯一の地域
  • 真ん中の商業地域がいちばん自由度が高い

「住環境を守る強さ」が左端で最大、右端の工専で“住”がゼロになる、というで全体像をつかみます。


2. すべての用途地域で建てられるもの

用途制限の第一歩は、**「全13地域で建てられる建築物」**を覚えること。公共性が高く、近隣に迷惑をかけにくい小規模なものが該当します。

神社・寺院・教会/診療所/保育所/公衆浴場/巡査派出所・公衆電話所などは、すべての用途地域で建築できる

「お寺・診療所・保育所・銭湯・交番」は工業専用地域でもOK。ここは例外なく全地域なので、得点源にできます。

あと一歩で覚える「工業専用以外ならOK」

建築物建てられる範囲
住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿工業専用地域を除くすべて
図書館等/老人ホーム・福祉ホーム工業専用地域を除くすべて
幼稚園・小・中・高校工業・工業専用地域を除くすべて

「住宅・図書館・老人ホームは工専だけNG」「学校(幼小中高)は工業+工専がNG」。この“どこからNGになるか”の境目が頻出です。


3. 代表施設の早見表

主要施設について、「建てられない地域」を押さえるのが効率的です(◯=建築可/×=不可。規模・条件により例外あり)。

施設1低・2低・田園1中・2中1住・2住・準住近商・商業準工工業工専
神社・診療所・保育所・公衆浴場・交番
住宅・図書館・老人ホーム×
幼稚園・小中高校××
大学・高専・病院×××
ホテル・旅館××(1住は3000㎡以下)××
カラオケボックス×××(1住)/◯(2住〜)
大規模な工場××××

覚え方のコツ:

  • 大学・病院は「低層住専・田園では×」(規模が大きく住環境を乱すため)。一方で幼小中高は低層でもOK(地域の子どものための施設だから)——学校でも大学と小中学校で扱いが違うのが超頻出。
  • ホテル・カラオケは住環境を乱すので、住居専用系では×。2住以降でOKになる。
  • 工場は準工以降。**工業専用は住宅が×**で、まさに裏返し。

4. 敷地が2地域にまたがるとき——「過半ルール」(91条)

用途地域の境界は、必ずしも敷地の形に合いません。敷地が2つの用途地域にまたがることがあります。

原則(法91条):建築物の敷地が異なる地域・区域にまたがる場合、その敷地の過半(広いほう)が属する地域の規定を、敷地全部について適用する。

用途制限は「過半の属する地域」で判断 第一種住居地域 (過半:広い) 近隣商業 (狭い) 敷地全部を 第一種住居地域 として用途判断 用途制限・採光・最低敷地面積などは「過半」で全体を判断

たとえば敷地の広いほうが第一種住居地域、狭いほうが近隣商業地域なら、敷地全部を第一種住居地域として用途制限を判断します。

⚠️ 例外の例外:建蔽率・容積率・斜線・日影は「過半ではない」

ここが最大の落とし穴。過半ルールが効くのは用途制限などであって、建蔽率・容積率・斜線制限・日影規制には適用されません(91条が52条〜56条の2等を除いている)。

規定またがるときの扱い
用途制限・採光・敷地面積の最低限度過半の属する地域で全体を判断
建蔽率・容積率加重平均(按分)——各部分の面積比で計算
斜線制限・日影規制地域ごと——それぞれの部分にその地域の制限を適用

「またがったら全部“過半”」と覚えると、**建蔽率・容積率(按分)斜線(部分ごと)**で必ず外す。用途は過半、建蔽容積は按分、斜線日影は部分ごとと分けて覚える。

「用途は過半・面積は按分・斜線は部分ごと」——この3分類が用途地域分野で最も差がつくポイントです。


5. 用途制限の例外——48条ただし書きの「許可」

用途地域の制限は絶対ではありません。特定行政庁の許可を受ければ、その地域に本来は建てられない用途の建築物も建てられます(法48条ただし書き)。

項目内容
誰が特定行政庁が許可
手続き原則として公聴会を開き、建築審査会の同意を得る
趣旨周辺の環境を害するおそれがない等と認められる例外的な場合に限る

用途地域に適合しない建築物でも、**特定行政庁の許可(公聴会+建築審査会の同意)**があれば建てられる。

「用途地域に合わなければ絶対ダメ」ではなく、許可という出口がある。手続きに公聴会が入る点が、接道の許可などと違う特徴です。


6. 用途地域より強い制限——51条の特殊施設

逆に、用途地域に適合していても、それだけでは建てられないものもあります。卸売市場・火葬場・と畜場・汚物処理場・ごみ焼却場などの特殊な施設です(法51条)。

これらは、原則として都市計画でその敷地の位置が決定していなければ、新築・増築できない(特定行政庁が許可した場合等を除く)。

周辺への影響が大きい施設なので、「用途地域でOK」だけでは足りず、都市計画レベルでの位置決定という、より上位のチェックがかかる——という発想です。「火葬場・ごみ焼却場は用途地域の話だけで判断しない」が頻出ひっかけです。


7. 田園住居地域・特定用途制限地域

田園住居地域(2018年導入)

近年追加された比較的新しい地域。農業の利便増進と、これと調和した低層住宅の良好な環境を守る地域です。低層住居専用地域に近い扱いに加え、農産物の直売所・農家レストラン等が建てられるのが特徴。「農地と低層住宅の共存」がキーワードです。

特定用途制限地域

用途地域が定められていない区域(市街化調整区域を除く)で、地域の特性に応じて特定の用途の建築物を制限するために定める地域。「用途地域がない=何でも建つ」わけではない、という点に注意します。


○×で総チェック

Q1. 診療所は、工業専用地域には建築できない。

×。診療所・神社・保育所・公衆浴場・交番などはすべての用途地域で建築できる。

Q2. 住宅は、すべての用途地域で建築することができる。

×工業専用地域では住宅を建てられない。住宅・図書館・老人ホームは「工専だけNG」。

Q3. 大学は、第一種低層住居専用地域に建築できる。

×。大学・高専・病院は低層住専・田園住居・工業・工専では建てられない。一方、幼稚園・小中高は低層住専でもOK。

Q4. 敷地が第一種住居地域と近隣商業地域にまたがる場合、用途制限は敷地の過半が属する地域の制限で判断する。

。法91条。用途制限・採光・最低敷地面積は過半で全体を判断する。

Q5. 敷地が2つの用途地域にまたがる場合、容積率も過半の属する地域の数値を敷地全部に適用する。

×建蔽率・容積率は加重平均(按分)。過半で決めるのは用途制限など。斜線・日影は部分ごと。

Q6. 用途地域に適合しない用途の建築物は、いかなる場合も建築できない。

×特定行政庁の許可(公聴会+建築審査会の同意)を受ければ建築できる(法48条ただし書き)。

Q7. 火葬場は、用途地域の用途制限に適合していれば、都市計画の決定がなくても新築できる。

×。卸売市場・火葬場・ごみ焼却場等は、原則として都市計画で位置が決定していないと新築・増築できない(法51条)。


まとめ——用途地域は「軸」と「例外の分類」で攻略

  • 13地域は住居系8・商業系2・工業系3両端(低層住専・工専)が極端、商業系が最自由
  • 神社・診療所・保育所・公衆浴場・交番は全地域OK住宅・図書館・老人ホームは工専だけNG学校は工業+工専NG大学・病院は低層住専・田園もNG
  • またがるとき:用途は過半(91条)/建蔽率・容積率は按分/斜線・日影は部分ごと——混同しない
  • 例外:48条ただし書きの許可(公聴会+審査会同意)で不適合でも建てられる
  • 逆に51条の特殊施設(火葬場・ごみ焼却場等)は都市計画の位置決定が必要

用途制限は「表の丸暗記」ではなく、住環境を守る軸+境目(どこからNGか)+またがり時の3分類で攻めるのが近道です。次回は建蔽率を、角地・防火地域の緩和の“重複加算”まで掘り下げて整理します。


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