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一級建築士法規確認申請建築手続き法改正2026年

一級建築士【法規】確認申請・検査・手続きを攻略|6条の新区分・4号特例見直し(2025年改正)

法規シリーズ、今回は確認申請・検査・手続きです。

手続き規定は「暗記もの」と軽視されがちですが、毎年必ず出題され、しかも2025年(令和7年)4月に大改正されたばかり。いわゆる「4号特例」が見直され、区分の呼び方・対象が変わりました。古い知識のまま解くと「テキストどおりやったのに答えが合わない」状態に陥ります。

この記事では、最新の区分を前提に、原則と例外(とくに「防火地域内は10㎡以下でも確認が必要」のような落とし穴)まで丁寧に押さえます。

⚠️ 内容は建築基準法等に基づく一般的な解説です。2025年4月施行の改正を反映していますが、条文番号・数値は学習用の代表値です。受験・実務では最新の法令集で確認してください。


大前提:手続きの登場人物

確認申請の話に入る前に、「誰が審査・検査するのか」を押さえます。

主体役割
建築主申請する人(施主)
建築主事特定行政庁(都道府県・市町村)に置かれる、確認・検査を行う公務員
指定確認検査機関国土交通大臣等が指定した民間機関。建築主事と同様に確認・検査ができる
特定行政庁建築主事を置く市町村長、またはその区域の都道府県知事。許可・命令を行う

「確認・検査=建築主事 or 指定確認検査機関」「許可・違反是正命令=特定行政庁」。役割の主語を取り違える問題が頻出です。


1. 確認申請が必要な建築物——法6条の「新区分」

建築物を建築(新築・増築・改築・移転)する前には、原則として建築確認を受け、確認済証の交付を受けてから着工します(法6条)。

2025年4月の改正で、対象建築物の区分が**「1号・新2号・新3号」**の3区分に再編されました。

法6条 確認申請の対象(2025年4月〜の新区分) 1号建築物 特殊建築物(法別表第1)で、その用途の床面積合計が 200㎡超  ※改正前は100㎡超→引上げ 新2号建築物 階数2以上、または 延べ面積200㎡超(=平屋かつ200㎡以下「以外」) → 木造2階建ては床面積に関わらず新2号。構造・省エネの図書審査が必要に 新3号建築物 平屋建て かつ 延べ面積200㎡以下(1号を除く) → 従来の「4号特例」の後継(新3号特例)。構造・省エネ審査は省略 都市計画区域等の「内」では全区分で確認必要/「外」では新3号のみ確認不要
区分範囲
1号建築物法別表第1の特殊建築物で、用途部分の床面積合計が200m²超(改正前は100m²超だったが引上げ)
新2号建築物階数2以上、または延べ面積200m²超のもの(=「平屋かつ200m²以下」以外)。木造2階建ては面積に関わらずここ
新3号建築物平屋建てかつ延べ面積200m²以下のもの(1号を除く)

⚠️ 例外:区域外の「新3号」は確認申請が不要

確認申請の要否は、立地でも変わります。

都市計画区域・準都市計画区域等の内側では、1号・新2号・新3号のすべてで確認が必要。 その外側では、新3号だけは確認申請が不要(1号・新2号は区域外でも必要)。

「区域外=何でも不要」ではありません。区域外でも、特殊建築物(1号)や階数2以上・200m²超(新2号)は確認が必要。ここが頻出のひっかけです。


2. 近年改正の核心——「4号特例」の見直し

ここが2025年改正の目玉です。

改正前は、小規模な「4号建築物」(木造2階建て・延べ500m²以下など)について、建築士が設計していれば、確認審査で構造関係規定・省エネ関係などの審査を省略できました(いわゆる4号特例)。

4号特例 → 新3号特例(審査省略の範囲が縮小) 改正前(〜2025/3) 4号建築物 (木2階・500㎡以下等) 構造・省エネ審査を省略 改正後(2025/4〜) 新2号:審査が必要に 新3号:審査省略を維持 木造2階建ては「新2号」に格上げ → 構造・省エネ図書の提出・審査が必要になった 審査省略が残るのは「平屋200㎡以下」の新3号だけ(新3号特例)

改正後は、審査省略(特例)が残るのは新3号(平屋・200m²以下)だけに縮小されました。これまで特例の中心だった木造2階建ては「新2号」に位置づけられ、確認申請時に構造・省エネ関係の図書提出と審査が必要になりました。

4号特例は「廃止」ではなく新3号特例に縮小。木造2階建てなど多くの住宅が審査を受ける側に移った。

「4号特例で省略できる」と古い知識で答えると、近年問題では確実に外します。**“いまは新2号に審査が入る”**が新常識です。


3. 構造計算適合性判定(適判)

大規模・高度な構造計算を要する建築物では、確認とは別に構造計算適合性判定(適判)を受けます。第三者の判定機関が構造計算をチェックする仕組みです。

項目内容
対象高さ60m以下で、許容応力度等計算(ルート2)・保有水平耐力計算(ルート3)・限界耐力計算等の高度な計算を行うもの
規模の目安木造で高さ13m超・軒高9m超、S造4階以上、RC造高さ20m超 など、構造計算が必要な大規模建築物
流れ適判の結果(適合通知書)がないと、確認済証は交付されない

⚠️ 例外:高さ60m超とルート2

  • 高さ60mを超える超高層は、構造方法等について国土交通大臣の認定を受ける(適判の枠組みではなく大臣認定)。
  • ルート2は、確認審査側に構造設計一級建築士等が関与する一定の場合、適判が免除される(2015年の改正以降)。

「適判は60m以下」「60m超は大臣認定」「ルート2は免除あり」の3点が区別ポイントです。


4. 着工から使用まで——検査の流れ

確認済証が出たら着工。そこからの流れと検査が頻出です。

確認 → 着工 → 検査 → 使用 の流れ 確認申請→確認済証 着工 中間検査特定工程 完了検査→検査済証 使用開始 完了検査:工事完了から4日以内に到達するよう申請 → 検査済証で使用可能 検査済証の前でも「仮使用認定」を受ければ使用できる(例外)
検査内容
中間検査特定行政庁が指定する特定工程(隠れてしまう部分など)の工事後に受ける。1998年に導入
完了検査工事完了後、完了日から4日以内に到達するよう申請。合格すると検査済証が交付される

⚠️ 申請中・工事中の建物利用——「仮使用認定」(法7条の6)

ここは「申請中の建物を使えるか」という頻出論点です。

原則として、1号・新2号などの建築物は、完了検査の検査済証の交付を受けるまで使用・使用させてはなりません(法7条の6)。完成していても、検査が済むまでは使えないのが原則です。

ただし例外として、次のいずれかの場合は検査済証の前でも使用できます。

例外内容
仮使用認定特定行政庁・建築主事・指定確認検査機関が、安全上・防火上・避難上支障がないと認めて認定したとき
検査の申請が受理された後の一定期間完了検査の申請が受理された日から7日を経過したとき(暫定的に使用可)

「検査済証がないと一切使えない」は**×仮使用認定を受ける、または検査申請受理後7日経過**で、申請中でも使用できる場合がある。

なお、工事中の建築物の使用については、避難施設等を使用しながら工事する場合に、安全上の措置(仮設の経路確保など)が求められます。「使えるが、安全の手当てが要る」と押さえます。


5. 計画変更確認申請と「軽微な変更」

実務でも試験でも頻出なのが、確認済証の交付後に計画を変更したときの扱いです。

原則(法6条1項後段):確認済証の交付を受けた後に計画を変更して工事する場合は、変更後の計画について**改めて確認(計画変更確認申請)**を受けなければならない。

「一度確認を取れば、あとは自由に変えてよい」わけではない——ここが大前提です。

確認後に計画を変更したら? 確認済証の交付後に変更 軽微な変更 適合が明らかな小変更 →確認不要・完了検査時に申告 計画変更 →計画変更  確認申請 号区分をまたぐ変更 面積増で号が変わる等 →原則・確認の取り直し

⚠️ 例外:「軽微な変更」は計画変更確認が不要

ただし、変更が**「軽微な変更」(規則3条の2)に当たる場合は、計画変更確認申請は不要**。完了検査の申請時に変更内容を申告すれば足ります。

軽微な変更とは、変更後も建築基準法に適合することが明らかな小規模な変更です(例:一定範囲の面積の減少、構造耐力上主要でない部分の変更など)。令和4年(2022年)4月に、その範囲が拡充されました。

⚠️ 例外の例外:号区分をまたぐ変更は「取り直し」

軽微な変更でも計画変更でもなく、法6条1項の号区分が変わってしまう変更(例:増築で延べ面積が増え新3号→新2号になる、用途変更で特殊建築物になる等)は、原則として確認の取り直し(新規の確認申請)が必要になります。

変更は3段階。①軽微な変更(確認不要)→②計画変更確認→③号がまたぐ=取り直し。変更の「大きさ」で扱いが変わる。

「変更はぜんぶ計画変更確認」でも「変更は自由」でもなく、3段階で考えるのがポイントです。


6. 工事監理者と各種届出

工事監理者

設計図書どおりに工事が行われているかを確認するのが工事監理(建築士法)。一定の建築物では建築士である工事監理者を定める必要があり、工事監理者を定めずに工事をしてはならないとされています。「設計者」と「工事監理者」は役割が別、という点が問われます。

建築工事届・建築物除却届(法15条)

届出出す人提出先
建築工事届建築主都道府県知事
建築物除却届施工者都道府県知事
  • 対象は床面積の合計が10m²を超える建築物(建築・除却)
  • 確認申請とは別の手続き。統計等のための届出で、提出先は都道府県知事(建築主事ではない)

工事届は建築主/除却届は施工者」「提出先は都道府県知事」が頻出の区別です。


7. 仮設建築物・既存不適格——「適用されない/遡及しない」

仮設建築物(法85条)

仮設建築物は、一定の手続き・制限緩和のもとで建てられます。

種類扱い
災害時の応急仮設建築物(85条1項・2項)確認申請等の規定が適用されない。ただし建築後3か月を超えて存続するには許可が必要
工事現場の仮設事務所・下小屋等(85条2項)確認申請が不要。多くの集団規定等も適用除外
仮設興行場・仮設店舗等(85条6項)特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可すれば、1年以内(工事用は必要な期間)建築でき、制限が緩和される

「災害応急・工事現場の仮設は確認不要」「興行場・仮設店舗は特定行政庁の許可で期間限定」が要点です。

既存不適格建築物(法3条2項)

建築時は適法だったが、その後の法改正や都市計画の変更で現行規定に合わなくなった建築物は、直ちに違反建築物にはならない(既存不適格)。

ただし、増築・改築・大規模の修繕等を行うと、原則として現行法に適合させる必要が出てきます(遡及)。「既存不適格はセーフ、でも手を加えると現行法が追いかけてくる」と覚えます。違法に建てた違反建築物とは区別します。


8. 維持保全——定期報告(法12条)

建物は建てて終わりではありません。多数の人が使う特定の建築物(特殊建築物等)・建築設備・防火設備については、所有者・管理者が定期的に調査・検査し、特定行政庁に報告する義務があります(法12条)。

  • 報告先は特定行政庁
  • 対象は特定行政庁が指定する特定建築物・昇降機・防火設備など
  • 資格者(建築士・専門技術者)が調査・検査する

「建てるときの確認・検査」だけでなく「使い続ける間の定期報告」も手続き規定の一部、と押さえます。


9. つまずきやすい「例外の例外」まとめ

最後に、確認申請まわりで差がつく細かい例外を整理します。

場面原則例外(注意)
増築・改築・移転床面積10m²以内なら確認不要防火・準防火地域内では10m²以下でも確認が必要
用途変更通常の用途変更に確認は不要特殊建築物(200m²超)への用途変更は確認が必要
大規模の修繕・模様替え新3号は不要1号・新2号は確認が必要

とくに**「防火地域・準防火地域内は、増築10m²以下でも確認が必要」**は最頻出。「10m²以下なら不要」と機械的に処理すると、防火地域の問題でつまずきます。


○×で総チェック

Q1. 都市計画区域外であれば、どんな建築物でも確認申請は不要である。

×。区域外で確認不要なのは新3号(平屋・200m²以下)だけ。1号(特殊建築物)・新2号(階数2以上等)は区域外でも必要。

Q2. 2025年4月の改正後、木造2階建て住宅は審査省略(旧4号特例)の対象である。

×。木造2階建ては新2号に位置づけられ、構造・省エネの図書審査が必要になった。審査省略が残るのは**新3号(平屋200m²以下)**のみ。

Q3. 防火地域内で床面積8m²の増築をする場合、確認申請は不要である。

×防火・準防火地域内では10m²以下でも確認が必要。10m²以内で不要なのは防火・準防火地域の話。

Q4. 構造計算適合性判定は、高さ60mを超える超高層建築物が対象である。

×。適判は高さ60m以下で高度な計算(ルート2・3等)を行うもの。60m超は国土交通大臣の認定

Q5. 完了検査に合格して検査済証の交付を受けるまでは、いかなる場合も建築物を使用できない。

×仮使用認定を受ければ、検査済証の前でも使用できる。

Q6. 確認・検査は建築主事のほか、指定確認検査機関も行うことができる。

。民間の指定確認検査機関も確認・検査ができる。一方、違反是正命令などは特定行政庁が行う。

Q7. 確認済証の交付後に計画を変更する場合は、変更の大小にかかわらず必ず計画変更確認申請が必要である。

×軽微な変更なら計画変更確認は不要(完了検査時に申告)。逆に号区分をまたぐ変更は確認の取り直しになる。変更は3段階で考える。

Q8. 建築工事届は施工者が、建築物除却届は建築主が、それぞれ建築主事に提出する。

×工事届は建築主/除却届は施工者。提出先は都道府県知事(建築主事ではない)。対象は10m²超。

Q9. 法改正により現行規定に適合しなくなった既存不適格建築物は、直ちに違反建築物として是正命令の対象になる。

×。既存不適格は直ちに違反ではない。ただし増改築等を行うと原則現行法に適合させる必要がある。

Q10. 工事を施工するために現場に設ける仮設事務所は、確認申請が必要である。

×。工事現場の仮設事務所等(法85条)は確認申請が不要


まとめ——手続き規定は「最新の区分」で覚え直す

  • 区分は1号(特殊建築物200m²超)・新2号(階数2以上 or 200m²超)・新3号(平屋200m²以下)
  • 審査省略は新3号特例だけに縮小。木造2階建ては新2号で審査が必要に(2025年改正の核心)
  • 区域外で確認不要なのは新3号のみ
  • 適判は60m以下60m超は大臣認定、ルート2は免除あり
  • 完了検査は4日以内に申請、検査済証で使用。申請中の使用は仮使用認定または受理後7日経過
  • 変更は3段階:軽微な変更(確認不要)→計画変更確認→号またぎ=取り直し
  • 工事届=建築主/除却届=施工者、提出先は都道府県知事(10m²超)
  • 仮設(工事事務所・災害応急)は確認不要、興行場等は特定行政庁の許可で期間限定
  • 既存不適格は直ちに違反ではないが、増改築で現行法に遡及
  • 防火・準防火地域内は10m²以下でも確認が必要
  • 維持段階は定期報告(法12条・特定行政庁へ)

手続き規定は、改正で“答え”が変わった典型分野です。古いテキストの「4号特例」のまま覚えていると失点します。最新の区分で覚え直すことが、そのまま得点につながります。


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