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一級建築士製図試験法令集試験対策

【令和8年〜】一級建築士 設計製図試験に法令集持ち込みが可能に!何が変わる?

ずっと「法令の暗記必須」だった製図試験に、大きな変化が来ました。

令和8年(2026年)度の一級建築士設計製図試験から、法令集の持ち込みが解禁されます。

製図試験で法令集が使えるようになって何が変わるのか。受験経験者として気になったことをまとめてみました。

これまでの製図試験

設計製図試験は、与えられた課題に対して図面を描き、計画の要点を記述する試験です。

試験時間は6時間30分。この限られた時間の中で、平面図・断面図・立面図などを手描きで仕上げなければなりません。

そして従来のルールでは――

持ち込み可:三角定規、テンプレート、電卓 など製図道具
持ち込み不可:法令集・参考書・自作ノート 等

法令集なし、つまり条文はすべて頭に入れておく必要がありました。

採光・換気・避難経路・耐火構造……建築基準法の関連条文を記憶したうえで、図面に落とし込む。

それが製図試験の「当たり前」でした。

令和8年からのルール変更

公益財団法人 建築技術教育普及センター(建築士試験を実施する機関)が発表した変更内容がこちらです。

令和8年試験から、設計製図の試験において法令集の持ち込みを可とします。 — 公益財団法人 建築技術教育普及センター

学科試験と同様に、法令集を手元に置いて試験に臨めるようになります。

変更前後の比較

令和7年まで令和8年から
法令集の持ち込み❌ 不可✅ 可
条文の暗記必須法規書をひくことが可能
試験時間6時間30分6時間30分(変更なし)
問われること暗記 + 計画力より精密な法判断 + 計画力

「持ち込める」=「楽になる」ではない

ここが大事なポイントです。

法令集が使えるようになるからといって、条文を全部調べながら解答する時間はありません。

製図試験は6時間30分で図面を完成させる試験。

法令集を引くたびに数分ロスするなら、かえって時間が足りなくなります。

そして、持ち込めるということはより法的ミスは致命的なものになります。

【試験中のリアルな使い方イメージ】

頭に入っている知識で図面を進める

「あれ、この規定どうだったっけ…」という場面で

法令集でサッと確認・ミスを防ぐ

また図面に集中する

つまり法令集は「調べるための道具」ではなく、「確認・保険のための道具」として使うのが現実的です。

受験生への影響:3つのポイント

① うっかりミスに言い訳が利かなくなる

法令集を持ち込めるということは、「法令を知らなかった・忘れた」は言い訳になりません。

引けるのに引かなかった→法令違反の図面を提出した、となると採点上より厳しく見られる可能性があります。

逆に言えば、ちゃんと確認すればミスを潰せる。使い方次第です。

② 法令集の引き方・インデックスの整理が新たな練習課題に

学科試験の受験経験者は、法令集にインデックスを貼ったり、よく使う条文に付箋を付けたりした経験があるはずです。

製図試験でも素早く引けるように自分の法令集を整備しておくことが、準備の一部になります。

ただし、書き込みのルールは学科試験と同様に一定の制限があるはずなので、センターの最新情報を確認してください。

③ 机上スペースの管理も練習のうち

法令集はそれなりに分厚い本です。

製図板の上は図面で埋まるので、法令集をどこに置いて、どう取り出すかという動線も、本番前に一度シミュレーションしておいたほうがいい。

細かいようで、試験中にもたつくのは意外とストレスになります。

正直な感想

個人的には良い傾向だと思います。

暗記力より「正確に計画できるか」を問う試験であるべきだし、実務でも法令集を見ながら設計するのが当然です。

「暗記しないと受けられない試験」より「実務に近い力を問う試験」のほうが本質的ですよね。

私が合格した2023年度試験では北側斜線について問われ、北側に公園がある敷地でした。

他の斜線であれば、公園は緩和に入ってきますが北側斜線には公園は緩和対象ではありません。

当時に一緒に受けた友人は緩和できると思い、北に建物を寄せておそらく一発アウトです。

実務で言えば、微妙なものは法規書を確認すれば問題ないですもんね、、、

ただ、「法令集があるから大丈夫」と油断するのが一番危ない。

製図試験の本質は変わっていません。

時間内に法的に正しく、使いやすい建物を計画して、図面に落とし込む。

その力が問われています。

法令集はあくまでも確認のツールです。

法令集が増えたことを利用できる側になれるよう頑張っていきましょう!


参考: