一級建築士製図試験 合格秘話|二度目の挑戦で気づいた、意外すぎる合格のカギ
製図試験に二度目で合格した。
振り返ってみると、合格のカギは「製図の練習」ではなかった。後輩のたった一言が、まさかの形で合格への道を開いてくれた話をしたい。
一度目の製図試験、なぜ落ちたのかわからなかった
学科を通過し、製図試験に初挑戦した一年目。
正直なところ、なぜ落ちたのかわからなかった。
資格学校の採点会でも「このくらいのミスなら合格できる」と言われた。自分でもそう思っていた。なのに結果は不合格。
悔しいというより、腑に落ちない感覚が続いた。
資格学校の言葉が頭に残っていた。
「ミスをなくすには、製図スピードが必要だ。プランをまとめる時間は安定しないから、製図を速く終わらせてチェックの時間を増やせ」
つまり問題はスピードだ、と。
練習しても、速くならない
合格発表の後、1月はゆっくり休んだ。2月から製図の練習を再開した。
しかし、スピードは一向に上がらなかった。
ある一定のラインまでは速くなる。でもそこから先が伸びない。何度練習しても、その壁を越えられない。
3月から長期講座が始まった。仕事も忙しくなってきた。上がらない製図スピード。積み重なるプレッシャー。嫌気がさして、何回か授業を休んでしまう日もあった。
このまま二度目も落ちるのかもしれない、という気持ちが頭をかすめ始めていた。
転機は、後輩の何気ない一言だった
製図課題の発表があり、本格的な試験勉強が始まったころのことだ。
後輩がこう言った。
「〇〇さん、やっぱりがたいいいですね」
何気ない一言だった。その後輩は身長は高いが細身で、筋肉をつけたがっていた。悪意はまったくない、本音の一言だったのだと思う。
私も中高は運動部でしっかり鍛えていたから、筋肉質ではあった。だから「ありがとう」くらいの気持ちで流しかけた。
でも、ふと思った。
「待てよ。二級建築士、一級建築士と勉強してきた数年間、ほとんど運動していない。がたい、というか……太ってないか?」
その夜、体重計に乗った。
新卒入社当時68kg。それが78kgになっていた。
10kgの増加。数字を見てしばらく動けなかった。
ダイエット開始。そして、予想外の変化
一級製図の勉強中というのはわかっていた。でも、このまま健康を犠牲にしていいわけがない。
その日から、食事制限とランニングを始めた。
最初は「試験に集中すべき時間を削っている」という罪悪感もあった。でも続けた。
1ヶ月ほどで体重が6kgほど落ちてきたころ、ある変化が起きた。
製図をしていて、体が重くないのだ。
今まで感じたことがないくらい。
気のせいかと思った。でも翌日も、その翌日も同じだった。そして如実に数字に現れた。
あれほど練習しても上がらなかった製図スピードが、速くなっている。
無理をしているわけでもない。自然に、軽やかに手が動く。
それだけじゃなかった。プランを考えるときの頭の回転がいい。思考がクリアで、詰まりにくい。
口元がにやけた。
「これ、いけるんじゃないか」
本番当日、体重65kg。絶好調。
ダイエットと製図の練習を続けたまま、試験本番を迎えた。
体重は65kg。入社時より3kg軽い。体は軽く、頭は冴えていた。
試験当日、プランは最速でまとまった。製図もかなり速く終わった。最後のチェック時間には45分以上確保できた。
一度目はチェック時間が足りずにミスを見落としていた。今回は違う。細部まで丁寧に確認して、ペンを置いた。
「これで受からなければ、もう受けるきはないだろう」
それくらいの会心の出来だった。
そして結果は——合格。
あのとき後輩が言ってくれなかったら
もちろん、ダイエットすれば誰でも製図が速くなるとは言わない。体質も体重の変化も人それぞれだ。
でも考えてみれば、当然かもしれない。
製図試験は体力勝負だ。
5〜6時間、椅子に座り続けて頭と手を動かし続ける試験。体が重ければ集中力も落ちる。血流が悪ければ思考も鈍る。
「勉強時間を増やす」「練習量を増やす」ばかり考えていたけれど、土台になる体のコンディションを完全に無視していた。
一度目に落ちた本当の理由は、もしかしたらそこにあったのかもしれない。
製図試験の対策を考えているなら、練習量だけでなく体のコンディションも見直してみてほしい。
睡眠・食事・軽い運動。地味だけど、これが本番のパフォーマンスを底上げしてくれる可能性がある。
そして後輩くん、本当にありがとう。
あの何気ない一言が、合格への分岐点だった 🐱
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