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一級建築士構造構造力学複合問題重ね合わせ不静定勉強法2026年

一級建築士【構造】複合問題の考え方と解き方|4タイプ別攻略法

一級建築士の構造力学では、たわみ・断面力・仮想仕事など複数の知識を組み合わせる問題が毎年出題されます。

「どの手法を使えばいいかわからない」という状態を解消するために、この記事では複合問題を4タイプに分類して解き方の判断基準を整理します。


複合問題の4タイプ

タイプ問題の特徴使う手法
荷重が2種類以上かかる重ね合わせの原理
支点が余剰な不静定構造適合条件法
スパン・断面・材料が変わる、比較する比率計算
複雑な構造のたわみ・変位を求める仮想仕事法

解き方の判断フロー

問題文を読んだら、まず次のフローで「どのタイプか」を判断します。

問題文を読む 荷重が2種類以上かかっている? YES ① 重ね合わせ NO 支点が余剰な不静定構造? YES ② 適合条件法 NO スパン・断面・材料が変わる? YES ③ 比率計算 NO 複雑な構造の変位を求める? YES ④ 仮想仕事法 NO → 問題文を再確認

タイプ①:重ね合わせの原理

集中荷重と等分布荷重など、複数の荷重が同時に作用する問題です。

各荷重が単独で作用したときのたわみを個別に計算して、足し合わせるだけで求められます。

δtotal = δP + δw (重ね合わせ) 荷重Pのみ P δP δP = PL³ / 48EI (単純梁・中央集中荷重) 等分布荷重wのみ w δw δw = 5wL⁴ / 384EI (単純梁・等分布荷重) δmax = δP + δw = PL³/48EI + 5wL⁴/384EI

ポイント: どんなに荷重が複雑でも、1種類ずつに分けて計算してから足すだけです。符号(上向き・下向き)に注意しましょう。


タイプ②:不静定梁の解法(適合条件法)

余剰支点がある不静定構造を、たわみ公式を使って解く手法です。

手順は「余剰支点を取り除いて静定化 → 未知反力を外力として載荷 → たわみゼロ条件(適合条件)で解く」の3ステップです。

例:一端固定・一端ピン梁(等分布荷重w)の反力を求める STEP 1 ピン支点を除去(静定化) w δw δw = wL⁴ / 8EI (下向き) STEP 2 余剰反力Rを上向きに載荷 R (未知) δR δR = RL³ / 3EI (上向き) STEP 3 適合条件(ピン支点の変位 = 0) δw = δR  →  wL⁴/8EI = RL³/3EI ∴ R = 3wL / 8 (ピン支点の反力)

ポイント: 余剰支点を「除去 → 変位ゼロ条件を立てる」の手順さえ覚えれば、あとはたわみ公式を代入するだけです。


タイプ③:条件比較・比率計算

スパンや断面・材料が変わったとき、たわみが何倍になるかを求める問題です。

公式 δ = PL³/48EI から「変わる部分だけ」を取り出して比を計算します。

δ = PL³/48EI 各要素の変化がたわみに与える影響 変化する条件 公式中の変化 δへの影響 スパン L → 2L L³ → (2L)³ = 8L³ δ × 8倍 スパン L → 2L(等分布荷重w) wL⁴ → w(2L)⁴ = 16wL⁴ δ × 16倍 ヤング係数 E → 2E 1/EI → 1/(2EI) δ × 1/2倍 梁の高さ h → 2h(I∝h³) 1/I → 1/(2³I) = 1/8I δ × 1/8倍

ポイント: L は3乗(等分布荷重なら4乗)、E・I は分母なので大きくなるとδは小さくなります。比が変わる部分だけを抜き出して計算するのがコツです。


タイプ④:仮想仕事法の応用

複合荷重や複雑な形状の構造でたわみを求める際に使います。

手順のおさらい:

  1. 実荷重のM図を描く
  2. 求めたい点に単位荷重 P̄=1 を載せてM̄図を描く
  3. δ = ∫M̄·M/EI dx(積算)で求める

重ね合わせで解けない複雑な問題でも、M図さえ描ければ対応できます。詳しくは 仮想仕事の原理・単位荷重法の記事 を参照してください。


過去問に多いパターン

パターンA:「たわみが等しくなる条件」

単純梁と片持ち梁のたわみが等しくなるためのスパン比を求めよ。

タイプ③(比率)+タイプ①(場合によって重ね合わせ)

δ単純 = PL₁³/48EI、δ片持ち = PL₂³/3EI として、δ単純 = δ片持ちを解く。

L₁³/48 = L₂³/3 → L₁/L₂ = (16)^(1/3) ≈ 2.52


パターンB:「支点反力を求めよ(不静定梁)」

一端固定・一端ローラー支点の梁に等分布荷重が作用するときのローラー支点反力を求めよ。

タイプ②(適合条件法)

上記のSTEP1〜3で R = 3wL/8 が求まります。


パターンC:「断面を変えたらたわみは何倍か」

梁の幅bと高さhをともに2倍にしたとき、たわみは何倍になるか。

タイプ③(比率計算)

I = bh³/12 → 2b×(2h)³/12 = 16·bh³/12 = 16I → δ = 1/16倍


問題を解くときのチェックリスト

  1. 荷重を数える → 複数なら重ね合わせ(タイプ①)
  2. 支点の種類を確認 → 余剰支点があれば適合条件(タイプ②)
  3. 数値比較か? → スパン・断面・材料の変化なら比率計算(タイプ③)
  4. それ以外の変位問題 → 仮想仕事法(タイプ④)
  5. どのたわみ公式を使うか → 梁の種類(単純・片持ち)と荷重の種類(集中・等分布)を確認

まとめ

タイプ見分けるポイント解き方対応記事
荷重が複数各δを計算して足すたわみ記事
不静定構造(余剰支点)除去→適合条件→解く仮想仕事記事
条件変化・比較変わる部分の比を計算たわみ記事
複雑な変位計算M図×M̄図の積算仮想仕事記事

複合問題は「どのタイプか」を判断できれば、あとは公式を正しく使うだけです。

判断フローを身につけて、過去問で各タイプの解き方を繰り返し練習しましょう。